学校における地球温暖化防止対策について・笠原水源から、水戸の自然と文化を守り育てる

 環境破壊は人間の責任です。今地球が温暖化しようが地球は46億年の歴史を閉じるわけはありません。温暖化問題は人間社会が地球規模で混乱を起こし、自分達の周りに不都合が生じることなのです。成熟したと言われる21世紀の人間社会は、地球温暖化対策という大合唱で国際的ルールに基づく循環型社会を構築しようとしています。温暖化の巨悪の原因は二酸化炭素の人為的放出と言われています。放出した二酸化炭素は対流圏で増え続け、温室効果作用で気温が上昇し、地球規模で異常気候変動が発生しているのです。

 温暖化問題を考え、いかなる対策を実践するか、これから話す内容が皆様にお役に立てば幸いです。

 地球温暖化問題を考える場合、現象を科学的に解く学問と、対策について検討する政治的課題とに二分されます。温暖化問題と称する言葉は気象変動のことで、温暖化とは都合良い造語といえます。温暖化ありきで自然現象を観ると、大きな間違いに導かれて政策が施行され、国民を不幸にすることとなります。

 気候変動問題は自然科学の学問で、各々発生した現象(答え)を、どうしてこのような状況に至ったかを追跡するという、答えから問題を解く学問です。異常気象によって発生した各地の現象が、どうして発生したか追跡することで結果が立証できます。一方、今起きている『問題』を先々どうなるか、将来の現象をモデルで積み上げて想定した『答え』は想像の世界です。今日多く語られる温暖化問題は後者の『問題』から『答え』を導く考え方により、私たちに情報が発せられています。


地球の歴史の中で酸素と二酸化炭素の量が急激に変化したのは5億年前の古生代から中生代です。古生代は三葉虫などの海の生物、中生代は恐竜などの陸の生物が繁栄しました。この時代、藻類やシダ類のどの植物の仲間が沢山の二酸化炭素を吸収して酸素を放出して成長し、やがて化石となりました。これら化石は人間により燃料として再び二酸化炭素を放出する事となったのです。

現在自然界の二酸化炭素放出は年間当たり2078億トン、吸収の量は2100億トンと22億トンの吸収の量が多いのです。しかし、人間社会から年間55億トンの放出があるため総計33億トンの放出となります。この33億トンの二酸化炭素の量が毎年1.5ppm増え続けるため地球温暖化の大きな誘因となっているのです。濃度の変化量は冬場に多く、夏場には植物の光合成による二酸化炭素の吸収が活発となるため減少します。


 温暖化の現象は海流などの水の循環により大きく関わります。水は太陽のエネルギーと地球などの重力により循環しています。また、水は不思議な物質で、4℃の時最も重い物質です。水は氷など固体になると水に浮くため、氷河の融解から始まる海流の循環は地球の気候に大きく関与するのです。

 氷河の融解が温暖化問題として数多く報道されています。アルプスなどの山帯を除き、氷河の末端の大半は海の中です。海水温が高くなれば融解が促進して氷河の移動速度が早くなり消滅する量も多くなるのです。氷河の低盤は水と推測します。移動速度が早まればクレパスが増え氷河内部の水量も増加するのです。また、地肌が現れると氷河との接触部は水の世界となり融解も早まるのです。このように氷河の融解は海水の温度により大きく左右されるのです。ただし、一概に温暖化で海流が変化して、氷河を融解しているといえません。海流が極地から赤道に向かい深く潜り込み、温暖な海域で上昇して再び極地へと向かう循環の年数が1500年と推察しています。これらの循環は壮大な海洋の自然が水により覆われ、謎が多く解明には時間がかかります。問題の二酸化炭素は海水が吸収します。海水は弱アルカリで多くの二酸化炭素を吸収すると、バランスを失い酸性化します。酸性化した海水は多くの生きものを死滅へと追いやる事となります。このような現象が続けば50年で海洋の循環が大きく変化すると唱える学者もいます。

現在は自然界の情報が衛星により瞬時に伝わる便利な時代となりました。情報の発達により気象情報などはきめ細かくなり、大雨等の風水害の予防に大きく貢献しています。しかし、電子化により気象台が無人化することは温暖化対策を推進する側には逆行しています。気象台は日々単純な計測を繰り返す業務ですが、人間の感じる気象変化を記録する大事な仕事があります。100年も前から続けてきた人間による気象情報は自然環境を知る上で重要な基礎資料で、日本独自の二四節季に基づく記録は自然と共生するために大事な指標です。しかし人間による感性を持った記録がここで途切れてしまうのは何ともやりきれません。

温暖化問題を最も声高らかに叫ぶ東京の人達に、ゲリラ豪雨が襲いかかっています。東京の湾岸に高いビル群が囲むように乱立しています。夏、東京湾から吹く風はビル群に遮られ、都心は熱がこもり狭い範囲で上昇気流が発生、雲がわき上がり冷え、やがて重力の法則で豪雨の誕生となるのです。このような当然の現象を解説したくないのか、言えないのか、現象を直視したら如何でしょうか。

温暖化を食い止めるのは世界規模の政治的課題です。私たちは身の安全と財産を守る事を第一に実践することです。温暖化による一番の問題は豪雨災害です。同じ雨の量でも住んでいる場所によって被害の程度は異なります。私たちは街の中や集落、平地や山間部また、低地や台地など、場所により風水害に取り組む手法が異なります。自分たちに合った防止対策が重要で、隣の街のやり方と異なることもあります。町単位で過去の災害を検証して、防災対策を立案することです。国からのマニアルを地域に合わせても災害から身を守ることは出来ません。また、『減災』を考えることです。自然災害は人間界が想定したとおりに現れません。防災には少ない被害で済むよう町並みの維持管理が重要です。造った物は必ず朽ち果てます。日々の手入れがコストを下げ、安心できる地域となるのです。一例として豪雨で排水管が溢れるのはゴミの散乱が大きな誘因です。大雨の季節の前に周辺の水路や側溝等を掃除修繕することです。

 温暖化防止対策は枯渇するであろうと言われる、石油エネルギー対策といえます。代替えエネルギーの開発が急務ですが、開発には大量の石油エネルギーが必要です。新しいエネルギー対策は地域単位の分散した取り組みが有効です。地域にあったエネルギーコストを考え、無駄なエネルギー消費を抑えた対策を選ぶべきです。

 現状では国の政策と私たち個人の省エネの取り組みがしっかりと構築していません。総論賛成、各論反対が現状ではないでしょうか。欧州とアジアの価値観は異なり省エネ取り組みが異なります。欧州の取り組みが日本に合わないことがあっても良いと考えます。日本は魚文化、鯨からのタンパク源は牛肉より省エネに貢献します。欧州の唱える炭素の買い取りでは炭素は増量するばかりです。このように国際的取り組みはまだまだ成熟しているとは思えません。

 自然環境の基本を成すのが水です。日本の水行政は縦割りで5つの省庁が管轄しています。お互いが権利を主張するため、自然界を基軸とした水問題に多くの弊害が現れて環境問題をより一層混乱させているのが現状です。環境問題で世界のリーダーシップを得た日本は、国内で水問題という行政の弊害を抱えたままです。

 個々の役割は身近な環境に直視して学習を継続する事です。自然環境を知ることにより人間の身勝手な考えは薄れていきます。自然と共生する事を学ぶことにより地球環境の付加を軽減することとなり、温暖化防止に繋がるのです。昭和30年代前の日本型社会には多くのヒントが有り、この頃の生活を思い出して下さい。自然は人の手で再び回復します。

 多くの資料からどう観ても地球温暖化は確実に進行し、ここ100年で0.6℃以上平均気温が上昇しています。どうして気温が上昇したのかについて、COの人為的排出と言われています。しかしこの温暖化は西暦1800年前から現在に至って進行しています。CO2の排出が地球規模に増えたのは1945年頃からです。気温変動を時間軸に図化して検証すると、COの人為的排出が主たる原因とするのに疑問を感じています。諏訪湖の御神渡日の記録によると、1450年から1800年までは12月初旬でした。しかし1800年代から現在まで、徐々に遅くなっています。日本の記録からも、温暖化問題を人為的なCO2排出等に括るのは問題が有ると考えます。私は自然を研究する多くの学者の声に耳を傾けて、得られた資料を素直に理解する事としています。自然のすがたを観続けて40年、これからも素直な目でみつめて参ります。


平成21年度 夏季巡検講話要旨
日時:平成21年8月5日
場所:レイクビュー水戸

講師・文責:西原 昇治  (有)井戸ライフ 代表取締役
       水戸市 環境保全会議 会員


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